眠りの南

正座したまま一時間眠れる、そんな主婦の、読み書きと猫の日々

神の責任 (詩)

余白を連れて歩いていた時に 目の端を掠めたこの世の痛みによって 毎日息をするということが 棘だらけの車輪を回しているように思われた 痛みは空に上げる 始まりの場所に還しておこう 私たちをお創りになった方の元へ 何故最初の悲鳴から あの方の判断は い…

私の放棄

私は、小説や映画のジャンルとして、恋愛ものには、 なぜかあまり興味がありません。 自分が書くものでも、恋愛だけのことを書くとしたら、 時々、短歌を詠むぐらいですね。 ただ、今回は珍しく、 その短歌から詩にもなったので載せますね。 詩のもとになっ…

贈りもの

ほらね。以前言った通り、 毎日更新が二、三日に一回になると、 すぐに一週間に一回になってしまう。 このまま、一か月に一回になりませんように。 今日は、クリスマスに詠んだ短歌をもとにした詩です。 もとの短歌は、こちら。 “聖き夜が明けて染まりし空ほ…

献上

(詩) 私がとうに自分の全てを 軽んじていたことを どうして見抜かれたのですか 美しい方は不思議 特別な力を持っている 何一つ憎むところがない 髪に花を飾る 歌う 舞う 贈り物を考える 見返りは求めない 苦しいとは どういうことだったろう 凍りつく夜に …

ここに居る

(詩) 空はどちらに傾くか もちろん星の進む方 人の心はどちらに向くか 彼方に涙の溜まる池 終着点に星は着く 空は端をまとめられ きれいなギャザーよっている そのすぐそばに涙池 清らか水面 ありがたさ 今宵 大きな風が吹く 星は転がり 涙は飛んで 思った…

正しい怒り

(詩) 生まれたての 私の怒りは すぐに心から取り出され 私の心臓の前あたりで 震えて宙に浮いている 私は調べなければならない それが 当然の方向への 適度な大きさのもので 更に 誰がどう見ても 納得する性質を備えているかどうか 大丈夫か 大丈夫だな い…

午后四時

(私のブログ“ひと夏の 永き”より・詩) 時がしんしんと降っている 日々がさらさらと積ってゆく はしゃぐことは一つもなくて 泣くことは選べない やり直せないことたちへの追憶 保護色になるばかりの希望たち 数えていると どの位細かく人生を切って 割り当…

金木犀

(私のブログ“ひと夏の 永き”より・詩) 金木犀の花たえず咲くところへ 懐かしき者と 安らかなる者は行けるという 懐かしんだり 安らかになりたくて行くのではない その者が 誰かにとって懐かしく 夢とさえ 友のように寄り添える 安らかさを持っているからこ…

伏せる

(私のブログ“ひと夏の 永き”より・詩) 悲しみの色は少しもない 穏やかな 秋の昼だった それなのに 階段を上ると 胸の奥が ガシャガシャいう これは正しい悲しさではない これは正しい苦しさではない まっとうな生き方を まっとうな物事の受けとめ方を して…

時空

(私のブログ“ひと夏の 永き”より・詩) 鈍い陽の差す 風の強い午後 ひんやりした肌は そのままに 眠ろうとして眠っていたのだ 体を真っ直にして まぶたを上に向けて 目覚めると 眠りにつく前より暗くなっている 天気が悪くなったのか 時間が とおにたったの…

奇跡

(私のブログ“ひと夏の 永き”より・詩) 奇跡 指先一つ 視線一つの気ままな采配で 命は世界へ振り分けられたのか 朝の光は眩しくて 崇高な何かを信じられそうな気もするのに けれど 昼間の雑踏の偶然は痛みを伴い 訴えて楽になりたくなる どこか遠い処で 私…