眠りの南

正座したまま一時間眠れる、そんな主婦の、読み書きと猫の日々

少しだけ、さみしい猫

我が家に三匹いる猫のうちの一匹。

次男猫のサン。

四歳。

(長男猫マルに続いて、うちの子になった)

毛はキジトラ。

美男子。

そして、一番の特徴は、大きい。

体が、大きい。

太っているわけではなく、

いや、それも多少?はあるけど。

 

全体的に大きい、プラス、

足が太く、

手が大きく、

顔も大きい。

顔は、子猫の頃は小さくて、

耳の大きさばかり目立っていたのに、

今では、耳の存在感は失われてしまった。

 

サンは、野良猫の産んだ子で、

保護されて、うちにやって来た。

うちに来た時は、生後二か月半の子猫で、

そりゃあ、かわいかった。

長男猫のマルは、うちに来た時、もう大人だったから、

なおさら、かわいかったのかもしれない。

 

けど、

子猫を飼うのは、

これで最後にしようと思った……

 

なぜなら、

元気だった。

元気すぎだった。

寝る時以外は、ずっと動いていなければならない、

そんな命令を受けているのかと思った。

(もちろん、子猫が全部そうではないし、

もっと元気でもいいと思う人もいると思う)

 

しかも、そのすばしっこいこと…

走り抜けて行く姿は、

まさに、目にもとまらぬ速さ。

そっちは危ないからと、

つかまえようとした時には、もう違う所にいる。

いや、人間じゃ無理だわ、猫族連れて来ないと。

 

そして、今、大人の猫になり、

体が、ずいぶんと大きくなり、

少々太くもなり、

落ち着いて、子猫の頃のように、

常にはしゃいで走り回ることもなくなり。

 

なんだか、

孤独を愛する猫さんになってしまった。

呼んでも来ない。

こっちが近くに行くと、パーッと逃げる。

なでても、ゴロゴロも言わずに迷惑そうな感じ。

がしっと抱きしめると、

ウォーと悲痛な一声。

顔を見ると、早くあっちに行ってくれと言っている。

 

猫って、こんなもの。

いや、うちの他の猫とは違うけど。

……個体差ねえ。

 

サン以外の家族と猫が集まっていても、

一匹だけ部屋の隅で、何事か考えている風。

短歌の一つも詠みそうだな。

まだ夏と思えばすぐに、

寒い冬、

秋が短い、

どうなっている。

なんて考えてないだろうな。

 

一人が好きなのかあ。

皆と仲良く、わいわいするのが苦手なの。

なんだか照れて、困っちゃうんだ。

私と同じだね。

 

でも、いつか私と仲良しになってよ。

ごはん!と、

だっこはやめて!

以外のことを話してよ。

 

僕のお母さんは、どうしているの?

隣の隣の市にいるよ。

地域猫として暮らしているよ。

僕の兄弟は?

みんな、優しい人にもらわれていったと聞いたよ。

ほんとに?

ほんと。だからもう、今日は、おやすみなさい。

いい夢を……