眠りの南

正座したまま一時間眠れる、そんな主婦の、読み書きと猫の日々

時空

(私のブログ“ひと夏の 永き”より・詩)

 

鈍い陽の差す 風の強い午後

ひんやりした肌は そのままに

眠ろうとして眠っていたのだ

体を真っ直にして まぶたを上に向けて

 

目覚めると 眠りにつく前より暗くなっている

天気が悪くなったのか

時間が とおにたったのか

私が考え違いをしているのか

 

ここがどこで

今がいつで

私が誰で

 

薄墨色に染められた部屋の中で

時間と空間は とけあい

上下左右どちらへでもどうぞと言いたげだ

 

では二十年前の では百年先の

どの国に行こう どの宇宙にしよう

誰になろう 綺麗でたおやかなものがいい

 

時空の広がりの中

ピンで留められた その台座ごと

決まったレールの上を 後ろから押されていたはずが

ピンをはねのけられ 台座をけとばし

命を自由にされ

薄墨色のもやの中 気楽にとんで行きましょう