眠りの南

正座したまま一時間眠れる、そんな主婦の、読み書きと猫の日々

奇跡

(私のブログ“ひと夏の 永き”より・詩)

 

奇跡

 

指先一つ 視線一つの気ままな采配で

命は世界へ振り分けられたのか

朝の光は眩しくて

崇高な何かを信じられそうな気もするのに

けれど 昼間の雑踏の偶然は痛みを伴い

訴えて楽になりたくなる

どこか遠い処で 私を俯瞰している誰かに

 

そこでは常に音が聞こえていますか

人間たちの放つ 幸せや悲しみの吐息が

一瞬何も聞こえなくなる位の大きさで

吹き荒んでいますか

 

足が痛くて 昨日一日ぼんやりしてしまった

今朝は眠気を脱ぎ捨てて

薄い衣のまま 肌寒くても

嬉しいことを思って歩く

 

私の奏でる音が舞い上がり

他の音たちと触れあって

やがて小さな良い奇跡が降ってくること